実践報告&現場の声

(現場の声‐21)「できるDEつながる会」の開催報告

                                                                                                         

「できるDEつながる会」の開催報告

                    南大阪国際語学学校 戸川朝子

 

本校はこれまでも部分的に『できる日本語』を活用してきましたが、本格的に『できる日本語』シリーズを採用し始めたのは昨年の10月からでした。

少し前に、ある先生から、「他校でどんなふうに実践されているのか、聴いてみたい」という声を受け、じゃ、やってみようということで、早速『できる日本語』を採用している知り合いの学校に声をかけ、今回、大阪にある万和国際教育学院と日生日本語学園と本校の3校に所属する先生たちで、「できるDEつながる会」をすることになりました。

 

当日は、15名の先生が集まり、最初はなんとなく緊張した空気の中で、まずはそれぞれの学校でどんなふうに実践をしているのか、その特色やこだわっていることなどについて紹介しあいました。

3校あれば、3つのやり方がそれぞれあり、学びを教室から外へつなげている学校や、学生同士のやりとりをビデオに撮って自己評価をしている学校、授業時にはテキストを見せない学校など、「あー、それいいね」というアイデアの種がいろいろなところに転がっていました。しかし、なんだか皆さん、カリカリとメモはしっかり取っているものの、あまり「やりとり」が生まれず、「いやいや、教師もやりとりやで~・・・」などと少し心配していました。

 

ですが、後半のグループディスカッションで「実践の自身の悩みや課題について」語る時間になると、その心配は杞憂でした。皆さん、評価についてや、限られた時間の中でどのように効果的に「できる!」活動をすればいいか、マインドセットができない先生たちはどうしたらいいのか、学生間のレベル差はどうしたらいいか、自宅学習が進まない学生をどう支援すればいいかなどなど、多くの悩みや課題が出てくる出てくる!そして、どのグループも、「そうだよね~」と共感したり、その課題を聞いて、もう一度自校の課題の捉え直しをしたりと気づきや内省につながったグループもあったようです。いたるところで様々なやりとりが生まれ、それは、学校を越えて、『できる日本語』が仲介となってつないでくれていました。

 

グループディスカッションは、1時間近く行われ、その後グループごとにどのような話が出たか全体で共有の時間をとって、終了・・・のはずが、その後も誰一人として席を立とうとはせず、熱いやりとりがさらに30分近く続いていました。

なのに!事後アンケートでは、まだ「話し足りなかった!」「今後も定期的に!」という意見もあり、もうこれは第2回、必須だな~と思っております。

今回は残念ながら、時間の関係上、悩みや課題の解決までには至らなかったことも多かったですが、共通の課題や、実は何が問題なのかということも見えてきて、次回につなげていければと思っています。

 

このように学校同士がつながり、対話をすることによって、またそれぞれの学校の実践も磨きがかかり、日本語教育の質の向上にもつながる可能性があるなあと思いました。それができたのも、『できる日本語』という共通のツールがあったからこそだと思います。

教師も自己実現めざして「やりとり」するぞ~

 

 

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